情報理論ハンズオンセンター

情報理論の基礎(情報量・エントロピー・符号化など)を視覚的・体験的に学ぶ

概要

はじめに

クロード・シャノン (Claude Shannon) は、「情報理論の父」として知られるアメリカの数学者・情報工学者です。彼が1948年に発表した論文「通信の数学的理論」は、情報理論という分野の基礎を築きました。この理論は、情報を定量的に捉え、通信の効率性や信頼性の限界を数学的に明らかにしました。

情報理論では、0と1のビット列を用いてメッセージを正確かつ効率よく記録・伝達する方法を学びます。本システムは、その基本的な考え方や仕組みを視覚的・体験的に学ぶためのものです。 各ページで情報理論の概念を段階的に学習し、最終的に通信システム全体の動作を大まかに理解できるようにしています。

想定する利用シーン

本システムは、情報理論の概念を視覚的・体験的に理解することを目的としていますが、各項目の詳細な解説は十分でないほか、厳密な正確性も確保していません。より深い理解のためには、専門の教科書を読まれることをおすすめします。その前提をご理解の上で、大学や専門学校などにおける授業の演習や宿題としての利用も歓迎します。なお作成者および所属は、このシステムに関する一切の責任を負いません。

学習のステップ

以下の各ツールでは、情報理論の基礎をステップバイステップで学べるようにしています。 まず「情報量」で個々の事象の珍しさと情報量の関係を、「符号化の基礎」で情報源の文字(記号)に0と1の符号を割り当てる方法を学びます。 さらに「エントロピー」で情報源全体の平均情報量を把握し、効率的な符号化の限界について学びます。 これらの基本的な「ハフマン符号」で具体的なデータ圧縮方法を、「ハミング符号」で通信エラーの検出・訂正の仕組みをそれぞれ、マウスで操作しながら視覚的に理解します。 その上で、「通信全体の流れ」で実際に符号がどのようにメッセージ伝達に利用されるかをシミュレートします。 最後に「通信路容量と伝送速度」で、雑音のある通信路で誤りなしに伝送できる情報量の理論的な限界について学びます。

1. 情報量

個々の事象の確率とその事象が持つ情報量の関係を視覚的に理解します。 珍しい事象ほど情報価値が大きくなる原理を学びます。

情報量を学ぶ

2. 符号化の基礎

情報源の文字(アルファベットの記号など)に、0と1からなる符号(ビット列)を割り当てる基本的な考え方を学びます。 各文字の出現確率と割り当てた符号から、語頭符号の条件や平均符号長などを確認します。

符号化の基礎を学ぶ

3. エントロピー

情報源が持つ平均情報量(エントロピー)を計算し、 その情報源を符号化する際の効率の理論的限界(平均符号長の下限)を理解します。

エントロピーを学ぶ

4. ハフマン符号

出現頻度に基づいた可変長符号化方式で、データ圧縮に広く用いられます。 文字の出現回数からハフマン木を段階的に構築し、符号化と圧縮率を確認します。

  • 入力テキストの文字出現頻度の分析
  • ハフマン木の段階的な構築(インタラクティブ操作)
  • 生成されたハフマン符号の確認
  • 元テキストの符号化結果と圧縮率の表示
ハフマン符号を学ぶ

5. ハミング符号

誤り検出訂正符号の一つで、1ビットの誤りを訂正できます。データ伝送の信頼性を確保します。 データの符号化、エラー注入、検出・訂正、復号の過程を追います。

  • 4ビットデータの入力と符号化(7ビットのハミング符号生成)
  • 符号へのエラーの注入(任意の位置に1ビットまたは複数ビット)
  • シンドロームを用いたエラー検出と訂正処理
  • 元のデータへの復号
ハミング符号を学ぶ

6. 通信全体の流れ

ハフマン符号とハミング符号の知識を活かして、実際のテキストメッセージがどのように符号化され、ノイズのある通信路を経て受信・復号されるかをシミュレートします。これにより、通信における全体的な流れを理解します。

  • メッセージの入力
  • ハフマン符号による圧縮(情報源符号化)
  • ハミング符号による誤り訂正能力の付加(通信路符号化)
  • 通信路で雑音が入る様子のシミュレーション
  • 受信側での復号
通信全体の流れを体験

7. 通信路容量と伝送速度

通信路符号化定理(シャノンの第二定理)を実践的に理解します。 2元対称通信路において、通信路容量と符号の伝送速度の関係が通信の信頼性にどう影響するかを観察します。

  • 通信路容量の計算と可視化
  • ビット誤り確率による影響の観察
  • 理論限界と実際の符号性能の比較
通信路容量を学ぶ

学習のポイント

各ビジュアライザーやシミュレーター内の説明(「処理の詳細説明」や「行列・数学的背景」タブなど)も参照しながら、 内部でどのような計算や処理が行われているのかを理解を深めてみてください。 様々なデータを入力し、設定を変更して結果がどのように変わるか試すことで、より実践的な知識が身につきます。 まずは個々の符号化方式を理解し、その後に通信全体の流れをシミュレーションで確認するのが効果的です。

留意事項

ご自身の責任のもと使用してください。作成者および所属は、このシステムに関する一切の責任を負いません。

このシステムは Gemini (Google) および Claude (Anthropic) を使用しながら作成しました。

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問い合わせ

静岡県立大学経営情報学部 小田紘久 (Hirohisa Oda, University of Shizuoka)

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